SMAC型強震計記録の画像データとその公開
このページでは、地震研究所が保管しているSMAC型・DC型で記録された1956年~1995年の強震計記録(紙記録)のうち、マグニチュードが大きい、または加速度が大きい波形記録のスキャン画像(PDF形式)を公開している。画像データや観測点情報へのアクセスは以下のリンクから辿ることができ、画像データテーブルの'Instrument Location'欄の見たい項をクリックすると、その波形画像(PDF形式)が現れる。
SMAC(Strong Motion Accelerograph Committee)型強震計とは、1950年代に開発されたわが国の第一世代の強震計であり、東京大学地震研究所が中心となって開発、及び観測記録の収集・管理が行なわれてきた。なおDC(Department of Construction)型強震計とは、のちに建設省が中心になって開発した強震計を指す。初期のころの強震観測については、強震事業推進連絡会議のホームページや、記念シンポジウム「日本の強震観測50年-歴史と展望-講演集(防災科学技術研究所研究資料第264号、2005年)」を参照されたい(共にURLは
http://www.k-net.bosai.go.jp/KYOUKAN/index/
)。なかでも田中貞二氏(元地震研究所)による上記シンポジウムの論文に詳細な経緯が記されている。
地震研究所は、当初から国の研究機関の一部を除き、各機関・オーナーから観測記録の提供を受け保管してきた。その中で、地震研究所古地震記象委員会の支援のもと2006年度から3ヶ年をかけて、マグニチュードが大きい、または加速度が大きい記録を密着フィルム化し、スキャナーによって画像データとする作業が実施され、はじめに第1期として1970年頃までの記録が公開された。その後2015年度に、1970年頃以降の全ての画像データを追加し、第1期のデータと統合して公開を始めた。また、以前から既に公開されている吉澤静代氏(元地震研究所)による数値化記録(通称吉澤ファイル)も、同時に利用できるようにデータテーブルを作成した。公開に至る一連の作業のうち、観測記録・密着コピーなどの整理は坂上実が、データテーブルの作成・リンクなどは工藤一嘉が主として担当した。
データ利用に当たって留意していただきたいこと
- この閲覧システムは、現時点で把握できる内容を提供してはいるが、誤記や欠落・不明などもあると思われる。利用者には情報が不十分で使いにくい状態であることを前提にご利用いただきたい。
- 古いデータに基づいているため、データテーブルと観測点テーブルに齟齬がないとはいえない。特に1970年頃に、強震観測事業推進連絡会議により観測点番号を改定しており、その時点以前に廃止されたもの(代表例は地震研究所旧館)や、機種の変更など、必ずしも十分な資料が残されているわけではない。
- 地震研究所が所有・管理していた強震計による記録が大半ではあるが、一部には保管だけを地震研究所が担当し、強震計そのものや記録の回収などは他機関によるものも含まれている(ほぼ1970年以前の建設省建築研究所、日本電信電話公社、日本国有鉄道、など)。
- 強震計は既に撤去された場合が多く、強震計が設置されていたビルの中には既に解体されているものも少なくない。
- 本観測点テーブルには、ビル名などは掲載していない。ご理解いただきたい。
- 震源データは「Strong Motion Earthquake Records in Japan」に記載されているままとしており、当時の気象庁による震源要素である。
- 波形画像にはpdfファイルだけではなく、tifファイルが用意されている。データ利用に関してや、tifファイル・密着フィルムの利用については、 までお問い合わせいただきたい。